音楽のある家
2010-05-31-Mon
ご自宅での、音楽の聴き方は、二通りあるように思います。
オーディオの前にじっくりと、腰を据え、
その録音のキレイさまでも楽しむような聴き方と
もう一つは、バックミュージックのように、
空間に、音楽を漂わせているような聴き方です。
わたしとしては、断然後者で、
それも、オーディオのあるその部屋で聴くよりも
隣の部屋で聴くくらいの距離感があるのが、好みです。
昨年、完成して、お引き渡しをしたお宅に、
その後、お邪魔させていただいたことがありました。
1階のダイニングのテーブルで、紅茶をいただいていると、
2階のオーディオルームから、クラシックの音楽が
階段や吹き抜けを通して、柔らかく、流れ降りてくるのです。
あぁ、これこれ…
音が空気に馴染んで、漂っている感じなのです。
こんな風に、暮らしていただいていることが、嬉しかったです。
照明の明かりが灯って、部屋の印象が変わるように
音楽だって、その部屋の印象を変えます。
音楽をつくる方にとっては、不本意かと思うのですが
建築に携わる者としての立場で、お話しさせていただくと、
部屋に漂う音楽は、インテリアでもあると、常日頃、思っています。
だから、そのことを、ちゃんとご存知でいらして
家での、時間とか、空気とかまで、大切にされ
こうやって暮らしてくださるのは、わたしの本望です。
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蕎麦屋
2010-05-30-Sun
今年は、年明けから蕎麦屋に、ハマっています。
お昼だったら、天ぷらそばをいただいたり
夜だと、だし巻玉子や、そばがきなんぞと、
少しだけ、お酒をいただくのも、いいですね。
そんなわけで、蕎麦屋、蕎麦屋、と話をするものだから
どなたかと、食事をする機会があったとすると
「蕎麦屋だったら、ここだけど…」
と、その日のお店の候補に、蕎麦屋を入れていただいて
大変、お気遣いくださる方まで、いらっしゃるようになりました。
…恐縮です。
ここは由比ヶ浜の「松原庵」です。
そして「蕎麦屋だったら…」と、候補にあがったお店です。
だから、もちろん、蕎麦もお店も、とっても良かったですよ。
住宅街にあって、古いお屋敷を改装したモダンな店構え、
屋外には、日よけのあるテラス席もありました。
今頃の季節だと、テラス席も、気持ちがいいかと思います。
ご近所の方らしき、車でブーンと駐車場に横付けされて
そのままテラスの方へ席を求める姿が、それらしい風景でした。
こうやって、蕎麦屋のことを書かせていただいたので
「蕎麦屋だったら、ここだけど…」と言ってくださる方が
また増えるのではないかと、ちょっぴり期待もしつつ…。
キース・ジャレット
2010-05-29-Sat
設計のお打合せをしていて、クライアントのご主人から
「音楽は、なにを聴くの?」と、
ジャンルやアーチストについて、ご質問をいただくことがあります。
ジャズに詳しいわけじゃないのですが、と、きちんと前置きをして
キース・ジャレットが好きだということを、告白するんです。
そう、告白という感じなのです。
キース・ジャレットが好きだと、お話すると、
いかにも、通っぽいイメージで、思われがちですが、
わたしとしては、それは、あまり、よろしくないのです。
お好きな方は、そこから、ジャズの深い話になっていかれ
それはもう、わたしには、完全に、お手上げ状態で、
お話についていけないことが、申し訳なくなってしまいます。
ただ、とんでもなく美しい、彼のピアノが好きなだけ、ですから。
キース・ジャレットのアルバム「ジャスミン」が、発売されました。
スローなジャズバラードで、たっぷり甘いメロディーです。
ライナーノーツでキースは、「愛する人と深夜に…」と
Call your wife or husband or lover
in late at night and sit down and listen.
とりあえず、この週末の夜に、聴いています。
ルーシー・リー展
2010-05-28-Fri
今朝は、お天気も良くて、
〆切のあった仕事も早めに終わり、急ぎの用件もないし、
雨つづきで履けなかった、真新しい白のスニーカーも履きたかった
と、これだけ、いい訳がそろったので、事務所を抜け出しました。
「よかったよ」と、教えてもらっていた、ルーシー・リー展へ、と。
…そして、よかったですよ。
陶芸作品と一緒に、彼女が制作活動をした工房とか
暮らしていたアパートメントの、玄関や居間や寝室など
映像や、数々の写真も、見られるようになっていました。
わたしは、そういうものを、結構、熱心に見てしまいます。
特に、暮らしの空間において、作品と共通するルールや哲学が、
一貫した気配となって、漂っているように思えるんです。
当然といえば、当然なんですけど、
「あぁ、やっぱり」なんて、それを確認したいんですね。
そして、映像の中で、柔らかく、好奇心に満ちて
「窯を開ける時はいつも驚きの連続」と、話すルーシーが
その内面の強さみたいなものは、あまり見せずにいて、
確かに、ここに暮らしていたんだって、想像することができます。
助六さんのお話より
2010-05-27-Thu
浅草仲見世の助六さんから、
日本文化のありがたいお話を、伺う機会がありました。
助六さんは、職人の手作りによる、江戸の文化玩具の老舗です。
そのファンも多く、最近では、ネット販売もしています。
そして、それぞれの玩具には
それぞれの意味が、込められているのだそうです。
例えば、ふくろうは「不苦労」と当て字して、苦労知らず。
河童は人を引き込む力があるから、商売繁盛。
中でも印象に残ったお話が、
店の前に置かれたタヌキが、意味するコトでした。
昔ながらの飲食店や居酒屋などで
たまに、こんなタヌキくんを見かけることがありますね。
こうやって、店番をしているかのようなタヌキくんですが
御前には、堂々と、男の子のシンボルが、ついています。
これには「お金が先」と、やはり商売繁盛の意味があるそうです。
つまり「前金でお願いしますよ!」って、ことなんですね。